世界はあまりに膨大になりすぎたため、ただの羅針盤にさえ重大な意味がある。

愛のうた


ブラインドネス

えるしっているか シチュエーション・コメディということばはあるが シチュエーション・トラジディということばはない
ハロウィン

オリジナル版の恐怖が持つ無形感が、過去編の挿入により薄れるのではいう危惧はすぐに消えた。なんとなれば、我々の時代はすでに類似した隣人を有してしまっているからである。殺害してなお肉親への執着から逃れられない有様に、なんだか胸がざわざわする。
ワンダービット

氏の最高傑作。ストーリーテリングに対するおそらく劣等感から語り始めるが、次第に含羞が勝り物語が崩壊するという過程を幾度も見てきた。秀逸な短編の連続が、結果として長編を構成するというこの方法論は、氏の持ち味の良い部分だけを最大限に引き出している。4巻まとめて読むべし。え、もしかしてこれも絶版なの? なっ! 何をするだァーーーッ! ゆるさんッ!
度胸星

なんとか兄弟が流行っていると聞いたので、急遽追加である。前述の作品にせよ、なんとかネテスにせよ、宇宙という壮大さを舞台にしながらジャンルはホームドラマである。一方、度胸星はSFである。宇宙という神の冷厳さを人間の持つ価値観の矮小さで暖めない倫理観がSFなのである。オバマ似の黒人大統領をはじめとして、いろいろと予言しすぎた作品であり、そして予言しすぎるものは時代に拒絶される運命を持つのである。ハハハ、お前の思いつめた表情はまるでnWoがそうですと言わんばかりだな!
イーグル・アイ

凡百の監督なら3時間かけてダラダラ撮影するだろう、ほとんど陳腐なパーツの組み合わせでしかないシナリオを、場面場面を点と割り切って編集することで緊張感に満ちた2時間を作り上げた。その短歌的な方法論には脱帽である。「ええ? 人間の感情の崇高さを描きたいって? ハハハ、ボーイ、まず舞台装置から用意しなよ!」。世界の謎とか人類の救済とかを半ば本気で思索するnWoには生涯到達しえない境地に、嫉妬と無力感で死にそうになる。そして、以上すべては皮肉ではないのだ。スピルバーグ、すげえ! どこまで進化する気なんだ!
おくりびと

風呂敷をたたみすぎた印象。本邦独自の死生観を西洋的なトラウマの解消へ収束させるのはいただけないが、それが受賞の理由なのかなあとも思った。あと、ヒロスエの演技の大根ぶりが英語では充分に伝わらないのではと危惧したが、それが受賞の理由なのかなあとも思った。
ゲットスマート

nWoが自信を持って推奨するギャグ映画である。多くのキャプションや過剰なリアクションに慣れた本邦のお笑いファン諸君には、敷居が少々高すぎるかもしれないがね。
銭ゲバ

言葉や論理を必死に整合して、なお伝わらないという経験を幾度繰り返しただろう。ここにはすべてを飛び越えて、ただ「伝わる」だけがある。暴力的なまでに伝わる様が、ひどくうらやましい。
闇の子供たち

存在が発覚するとご近所、特に妙齢の婦女たちが逆の意味でざわめくところの鈍色アンチ・スターこと“ぺ様”であられる諸君は、とりあえず己の嗜癖にどの程度の深刻性が含まれるかを確認するため、視聴するとよい。肉体的に反応があれば、君は相当の人物である。映画としては、まあ、アレだ。映画が題材にビビッてる感じ。
スカイ・クロラ

1984年を読了し、フライ・ボーイズを視聴することで、この映画は完全に成仏します。みんな、急いで! 誰かが世迷言を言い出す前に!
ジョン・ランボー

ロッキー・バルボアに続く、ジョン・ランボー。例えば映画であることを目指したMGS4と、映画であることを越えようとしたランボー4。いずれがより崇高であるかは、もはや言及するまでもない。
アイム・ノット・ゼア

ボブ・ディラン世代から遠い小生は、ケイト・ブランシェットが男役を演じるという一点のみが視聴の理由であったが、クリスチャン・ベールとヒース・レジャーのダークナイトコンビが出演していて驚いた。しかしながら、この映画を肯定的に捉えることができるのは、ケイト・ブランシェット萌えの御仁のみであろう。
運命を分けたザイル

極限状態における人間心理の機微を描く、良質なドキュメンタリー。なぜか「ひかりごけ」を思い出した。
非現実の王国で

百年早く、しかも異国で生まれてしまった例の人の話。やはりこういう志向性というのは、人間精神にとって普遍的なものを含むのかもしれないなあと思った。題材先行で視聴しましたが、ドキュメンタリーとして非のうちどころがない構成でした。
アンフィニッシュト・ライフ

久しぶりに映画らしい映画を見た気がする。視聴するという行為そのものが批評も批判もすべて精算して、見終わった後に何も言葉を残さない。
 

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